「プロジェクトマネジメント」のスキルは、エンジニアやデータサイエンティストをはじめとして、プロジェクト業務を行う全ての職種において重要なスキルです。
これはマネージャーの立場の人に限らず、プレイヤーとしてプロジェクトに参画している人にも必要です。
この記事では、プロジェクトマネジメントスキルを伸ばすために、非常に参考になる3つの有名な手法であるPMBOKとPRINCE2とITILについて紹介します。
まとめ(比較表)
本記事の内容のまとめをはじめに記載します。
より詳細な情報を知りたい方は、これ以降の文章をご覧ください。
比較項目 | PMBOK | PRINCE2 | ITIL |
---|---|---|---|
略称 | Project Management Body of Knowledge(第7版) | PRojects IN Controlled Environments, 2nd version | Information Technology Infrastructure Library(第4版) |
発行団体 | 米国プロジェクトマネジメント協会(PMI) | 英国商務局(OGC) | 英国中央コンピュータ電気通信局(CCTA) |
特徴(所感) | 特に「成果物」に着目しており、計画から要求事項特定までの定義の手法が手厚い。 | 特に「組織」に着目しており、「各ロールの役割と責任」を軸とした話が多い。 | 特に「サービスマネジメント」に着目している。 |
構成 | 12の原則 | 7つ原則 + 7つのプロセス + 7つのテーマ | 7つの原則 + 34のプラクティス |
資格 | Project Management Professional(PMP) | PRINCE2 Foundation / Practitioner | ITIL Foundation / Specialist / Strategist / Leader / MP / SL / Master |
PMBOKとは?
PMBOK(第7版、PMBOK7)とは、「Project Management Body of Knowledge」の略で、米国プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute; PMI)によって策定されたプロジェクトマネジメント手法です。この手法を解説したガイドラインをPMBOK Guide(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)と呼んだりします。
特徴として、「成果物」に着目しており、計画から要求事項特定までの定義の手法が手厚いです。
ちなみに、日本語では「ピンボック」と読みます。
より詳細な説明は、下記の記事をご参照ください。
PMBOKとは?【概要 / 12の原則 / 8つのパフォーマンス領域 / 資格】PRINCE2とは?
PRINCE2とは、「PRojects IN Controlled Environments, 2nd version」の略で、英国商務局(Office of Government Commerce; OGC)が開発したプロジェクトマネジメント手法です。
特徴として、「組織」に着目しており、「各ロールの役割と責任」を軸とした話が多いです。
より詳細な説明は、下記の記事をご参照ください。
PRINCE2とは?【概要・7つの原則・7つのテーマ・7つのプロセス・資格】ITILとは?
ITIL(第4版、ITIL4)とは、「Information Technology Infrastructure Library」の略で、英国中央コンピュータ電気通信局(Central Computer and Telecommunications Agency; CCTA)が開発したプロジェクトマネジメント手法(サービスマネジメント手法に近い)です。
特徴として、「サービスマネジメント」に着目しています。
ITILとは?【概要・7つの原則・34のプラクティス・資格】「構成」の比較
各手法それぞれにおいて、重要な原理原則の項目があります。
PMBOKには、「12の原則」があります。
PRINCE2では、「7つの原則に基づいて、7つのテーマを利用して、7つのプロセスを進める」ことがプロジェクトマネジメントであると定義されています。
ITILでは、「従うべき7つの原則をもとに、34のプラクティスを利用しながら、サービスバリューチェーンを通じて顧客に価値を提供すること」が手法のベースにあります。
PMBOKの12の原則
- 「スチュワードシップ」であること
- 協働的な「チーム」の環境を作る
- 「ステークホルダー」と効果的に連携する
- 「価値」に焦点を当てる
- 「システム」の相互作用を認識する
- 「リーダーシップ」を示す
- 状況に基づいた「テーラリング」
- プロセスと成果物に「品質」を組み込む
- 「複雑さ」に対処する
- 「リスク」対応の最適化
- 「適応力」と「回復力」を持つこと
- 将来の状態を達成するために「変革」する
PRINCE2の7つの原則
- ビジネスの継続の正当性
- 経験からの学習
- 定義された役割と責任
- 段階によるマネジメント
- 例外によるマネジメント
- 成果物重視
- 環境に合わせたテーラリング
PRINCE2の7つのテーマ
- ビジネスケース
- 組織
- 品質
- 計画
- リスク
- 変更
- 進捗
PRINCE2の7つのプロセス
- プロジェクトの指示
- プロジェクトの立ち上げ
- プロジェクトの開始
- 段階のコントロール
- 成果物納品の管理
- 段階境界のマネジメント
- プロジェクトの終了
ITILの7つの原則
- 価値に着目する
- 現状からはじめる
- フィードバックをもとに反復して進化する
- 協働し、可視性を高める
- 包括的に考え、取り組む
- シンプルにし、実践的にする
- 最適化し、自動化する
ITILの34のプラクティス
- アーキテクチャ管理
- リスク管理
- 継続的改善
- 情報セキュリティ管理
- ナレッジ管理
- 測定および報告
- 組織変更の管理
- ポートフォリオ管理
- プロジェクト管理
- 関係管理
- サービス財務管理
- 戦略管理
- サプライヤ管理
- 要因およびタレント管理
- 可用性管理
- 事業分析
- キャパシティとパフォーマンス管理
- 変更実現
- インシデント管理
- IT資産管理
- モニタリングおよびイベント管理
- 問題管理
- リリース管理
- サービス・カタログ管理
- サービス構成管理
- サービス継続性管理
- サービスデザイン
- サービスデスク
- サービスレベル管理
- サービス要求管理
- サービスの妥当性確認およびテスト
- 展開管理
- インフラストラクチャとプラットフォーム管理
- ソフトウェア開発と管理
「資格」の比較
PMBOKには、「Project Management Professional(PMP)」という資格があります。この資格は、受験資格の制限(学歴やPM経験の時間など)があります。
PRINCE2には、「PRINCE2 Foundation」と「PRINCE2 Practitioner」という資格があります。Foundationの資格には受験資格の制限はありませんが、Practitionerの試験には受験資格の制限(PMPもしくはPRINCE2 Foundationの試験合格)があります。
ITILには、以下の試験のレベルがあります。
- Foundation / ファンデーション
- Specialist / スペシャリスト
- Strategist / ストラテジスト
- Leader / リーダー
- MP(Managing Professional)
- SL(Strategic Leadership)
- Master / マスター
最後に
いかがだったでしょうか?
この記事を通して、少しでもあなたの困りごとが解決したら嬉しいです^^
おまけ(お知らせ)
エンジニアの仲間(データサイエンティストも含む)を増やしたいため、公式LINEを始めました🎉
「一緒に仕事をしてくれる方」「友だちとして仲良くしてくれる方」は、友だち追加をしていただけますと嬉しいです!(仲良くなった人たちを集めて、「ボードゲーム会」や「ハッカソン」や「もくもく会」もやりたいなと考えています😆)
とはいえ、みなさんにもメリットがないと申し訳ないので、特典を用意しました!
友だち追加後に、アンケートに回答してくれた方へ「エンジニア図鑑(職種20選)」のPDFをお送りします◎